なぜ目の動きを速くしても本の速読できないのか 必要な情報をできるだけ早く、頭に叩き込む方法
大量の情報があふれる現代、「必要な情報をできるだけ早く、頭に効果的に叩き込みたい!」と考える人は多いのではないでしょうか。巷にはさまざまなインプット法があふれていますが、残念ながらそのほとんどに科学的根拠がありません。
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長である星友啓さんの著書『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』では、最新の科学が明らかにした効果的なインプット術、記憶に定着させるメソッド、モチベーション管理の方法、AI時代の情報の見分け方などを詳しく紹介しています。
本書の中から、今回は「脳とインプット」について、一部抜粋・編集してご紹介いたします。
速読の残念な真実
分厚い本をパラパラとめくるだけで内容がわかる、超人のような速読を行う人をテレビなどで見て、「私も身につけたい」と思った人は少なくないでしょう。
速読者はどのように言語イメージをインプットしているのでしょうか。例えば、本のページをパッと一瞥したときに、ページ全体が視界に入ってくる。そして、そこに書いてある言語イメージが一気に認識される。まるで、ページごとにパシャパシャと写真を撮るように。
しかし、残念ながら、パッと見でページ全体を把握する写真式の速読術は、目や脳の仕組みからして、科学的に不可能であることがあきらかになっています。
私たちが文字をくっきり認識できる、視野の中心部分である中心窩は、自分の手を前に伸ばして「グッド!」と親指を立てたとき、実際に親指の幅ぐらいのごく小さな領域です。
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