前倒し選挙が決まった後のフランスの世論調査は、極右政党・国民連合(RN)が30~35%の支持率で第1党になる勢いで、極右阻止で団結した左派の統一会派・新人民戦線(NPF)が25~28%程度の支持率で追う。
マクロン大統領の支持会派・アンサンブルは18~20%の支持率で第3党に転落することが示唆される。極右政党や左派統一会派が議会の過半数を握った場合、さらなる財政悪化が避けられそうにない。

両勢力の掲げる政策は、気候変動対策、ウクライナ支援、移民政策などで大きく食い違うが、財政運営では共通項も多い。
極右でも左派でも、財政膨張
マクロン大統領の目玉改革の1つである年金改革を見直し、年金支給開始年齢の引き下げや給付水準の引き上げを主張する。また、現在審議中の失業保険改革(給付期間を短縮し、支給条件を厳格化)に反対しているほか、大統領が廃止した富裕税の再導入を求めている。具体的な政策手段は異なるが、賃上げや家庭のエネルギー負担の軽減などでも一致する。
公約通りの財政運営を行えば、財政赤字の膨張が避けられず、さらなる格下げやEUの財政規律違反を問われる恐れが高まる。
フランスの大統領は強い政治権限を持つことで知られるが、大統領の出身政党と議会の多数派が食い違う「ねじれ(コアビタシオン)」が生じた場合、その力は弱まる。
通常、大統領が外交や国防を、首相が内政全般を担うが、実際には多くの内政分野でも大統領の意向が強く働く。これは大統領が首相や閣僚の任命・解任権を握っていることや、議会の解散権を持つことに由来する。
だが、国民議会は内閣不信任を決議することができる。そのため、今回のように大統領支持会派の過半数獲得が難しい場合、議会の多数派の意向に沿った人物を首相に任命せざるを得なくなる。
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