シャオミのスマートフォン事業の好調は、グローバル市場の需要回復のタイミングを(競合他社よりも機敏に)つかんだ結果だ。市場調査会社のカナリスのデータによれば、2024年1~3月期の全世界のスマホ出荷台数は2億9600万台と、前年同期比10%増加。伸び率が直前の2023年10~12月期の8%から2ポイント上昇した。
そんな中、シャオミは1~3月期のグローバル市場で前年同期より3ポイント高い14%のシェアを獲得。メーカー別ではサムスン電子、アップルに次ぐ世界第3位のポジションを維持した。
スマホ事業は収益性も改善している。決算報告書によれば、1~3月期のスマホ事業の粗利益率は14.8%と、前年同期より3.6ポイント上昇。シャオミの説明によれば、スマホ用のストレージなど中核部品の調達コスト低下が寄与したという。
シャオミはスマホ事業のさらなる成長を図るとともに、新規参入したEV(電気自動車)事業との相乗効果の発揮を目指している。
「2024年から2026年にかけて、中国で新たに1万店の実店舗をオープンし、既存店舗と合わせて2万店体制を築く。さらに既存店のスペース拡張やアップグレードを進め、EVの展示ニーズにも対応していく」
同社総裁の(社長に相当)盧偉冰氏は、決算説明会でそう述べた。
EVの販売目標を引き上げ
シャオミは3月28日、EV(電気自動車)の第1号モデル「SU7」を発売し、価格性能比の高さで大きな注目を集めた。同社によれば、SU7は4月24日までの約1カ月で5781台を納車し、その時点の(キャンセルを受け付けない)確定受注残が7万5700台に達したという。
SU7の発売時点では、シャオミは最初の1年間の販売目標を10万台に定めていた。しかし盧氏は、この目標を12万台に引き上げたことを決算説明会で明らかにし、次のように述べた。
「現時点のEV事業の課題は、顧客の納車待ち期間が長すぎることだ。しかし6月からは、工場で2交代制の生産体制をとる。それにより生産能力が倍増し、月間1万台を突破できる見通しだ」
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は5月24日
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