ラーメン屋経営で地獄見たプロレスラーの気づき 川田利明が向き合う「お客様は神様です」の怖さ
よくよく考えたら、あきらかにこっちが悪いんだけど、なんとなく「客のミスは悪くない」という空気がどこの店でもできあがってしまっているんだよね。
いざ、経営する側に回ったら、そういうロスが何気に痛手になる。
さっき補充したばかりの割り箸が一瞬にしてダメになってしまったりすると、その場ではさすがに顔には出さないけど、内心「ああ~っ」となるもんね。お客さんにコップを割られても、ウチでももちろん請求できないから。
「お客様は神様だ」という意識が生む理不尽
とにかく飲食業や接客業をやっていると、一事が万事、こんな感じになることが多いんだ。挙げればキリがないけど、他にもいくらでもある。
たとえばトイレ。
営業中も定期的に掃除をするんだけど、ほとんどのお客さんはきれいに使ってくれる。でもマナーが悪い人が少しだけいて、ちょっと尿が便座にかかっているなんてかわいいもの。汚い話で恐縮だけど、トイレ中に吐き散らかしたり、大便を床に撒き散らす人もいる。掃除にかかる手間も時間も大変だ。
一般的なビジネスの場合、こちらが常識的な提案をすれば、相手側も常識的な返答をしてくるから、スムーズに話が進む。
でも、接客業の場合「お客様は神様だ」という意識でいる人が多いので、こちらが想定していないような要求をされたり、世間一般で言われるような常識では測りきれないような、ものすごく理不尽なことを言われたりもする。
そこはもう「精神力」でぐっとこらえるしかない。
そんな時はちょっと冷静になって、自分が客の立場だった時に、無意識のうちに理不尽なことをしていなかったかどうか考えてみることだ。「常識どおりに事が進まない」とイライラしていたら、この商売は絶対に続けてなんていけないからね。
俺が声高に繰り返しアピールしたいのは「お客さんは手間を買ってくれない」という点だ。
手間は目には見えない。
目に見えないものにお金は出せない。
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