NOAは、高精度地図を一定程度は利用するものの、完全には依存せず、車載カメラや車載センサーなどを組み合わせることで、車両の自動停止・加速・車線変更・ステアリング操作などを可能とするシステムだ。これにより地図更新などの手間が省け、自動運転が迅速に普及する可能性が見込まれるという。
シャオペン(小鵬汽車)は2023年11月、同社のADAS「ナビゲーション・ガイド・パイロット(NGP)」向けOTA、「XmartOS4.40」を投入し、2024年には中国200都市での走行に対応すると発表した。理想汽車や上海蔚来汽車も、類似の機能を持つシステムを展開している。
ファーウェイは、「Huawei ADS 2.0」を投入し、複数のセンサーを用いる障害物検知システムを通じ、中国全都市で道路や信号などの識別や車両の制御を実現した。
またBYDは、今年1月に新しいアーキテクチャー「璇璣(XuanJi)」を披露し、車両制御やスマートコックピットなど、それぞれの機能を人工知能(AI)や高性能なコンピュータ―で統合し、高度な運転支援を実現しようとしている。
2024年4月現在、BYDの研究開発者は10万人を超え、そのうち4000人超の専業エンジニアが、スマート化分野の開発に参画。先行するテスラや中国新興勢を追いかけている。
増える「ファーウェイ系」BEV
スマートフォン大手のシャオミ(小米科技)は、3月28日に同社初となるBEV「SU7」を発売し、初日で約9万台もの受注を得た。同社の独自OSである「Hyper OS」が搭載され、シャオミ製スマートフォンなどと相互に接続でき、5月から10都市でNOAの運用を開始する。
CATLとBYD製電池、ヨーロッパの大手サプライヤーの足まわり部品を採用し、インストルメントパネル中央には大型ディスプレイを搭載する一方で、物理スイッチも残した。
このような作りは、シャオミ製スマホユーザーをターゲットにすると同時に、新たにファーストカーを検討する層の取り込みも目論んだものだ。
「クルマを作らない」方針を強調してきたファーウェイは、新たにBEVプラットフォームを開発した。
車載カメラとスマートフォンが連動する機能を備える「HiCar」システム、モーターや電池制御ユニットなどを一体化した基幹部品「Drive ONE」、独自OS「鴻蒙(ハーモニー)」など、各種技術を集約するBEVプラットフォーム「華為智選(ファーウェイ・スマートセレクション)」だ。
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