中山間地域も多い能登半島で、今回の地震による一般道の被害は大きく、長く孤立した集落も少なくなかった。主要な国道も、がけ崩れや道路の地割れなどで、地域を結ぶ役割を果たせなかった。
高架や盛り土などでそうした被害を受けにくい、あるいは受けたとしても迅速に復旧が期待される災害時の高速道路の役割が、あらためて確認できたように思われた。
2024年度は6本の高速道路で新規開通あり
さて、『JAF Mate』の記事では、本文ではほとんど触れていないが、2024年度の開通予定の区間を表形式で掲載している。こちらのほうも地元の方々を中心に開通を心待ちしていると思われるので、少し解説を加えたいと思う。
2024年度は、現在のところ6本の高速道路で新規開通を迎える区間がある。そのうち、目立つのが名古屋市を大きく取り囲むように建設が進む東海環状自動車道で、三重県側で6.6km、岐阜県側で18.5kmの開通が予定されている。
三重県側は、大安IC~北勢IC(仮称)、岐阜県側は山県IC~大野神戸IC間となっており、この開通により、岐阜県側は名神高速道路と接続する養老JCT(ジャンクション)を越えて、養老ICまでつながる。
そのため、例えば白川郷、郡上方面から米原方面へ向かう場合、常時混雑している一宮JCT(東海北陸道と名神高速道路との交点)を通らずに済むなど、交通体系を変える効果が見込める。東海環状道の未開通区間は、養老IC~北勢IC(仮)だけになり、全線完成まであと一歩のところまで来たと言える。
道東道の阿寒IC~釧路西IC(17.0km)の開通も、効果が大きいと思われる。帯広方面からの高速道路が釧路西ICですでに開通している釧路外環状道路とつながり、釧路市中心部を経ずに厚岸、根室方面へと走行できるようになるからである。
2023年度にも島根県大田市内で延伸のあった山陰道は、出雲・湖陵道路と湖陵・多伎道路が連続して開通することで松江方面から大田市の西端の石見福光ICまで延び、細切れ開通の多かった山陰道の島根県東部区間がほぼつながったことになる。
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