「キーが打てない」30代男性を襲った"まさかの病" 体験者「安易な自己診断と思い込みには注意を」

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締めきりがヤマ場を迎えており、数日前からは、毎日、明け方近くまでパソコンを使う生活だった。「指を酷使したためだろう」と考えた杉山さんは、この日は早々にパソコン作業をストップ。

ところが翌日になっても、症状はよくならない。「むしろ、昨日より指が動きにくくなっている感じがしました」(杉山さん)と言う。

「このまま症状が続いて、キーボードが打てなくなるのはヤバい」と焦り、ネットで何の病気が疑われるかを調べてみた。「手指のしびれ」「パソコンが打てない」などと検索すると、「尺骨(しゃっこつ)神経マヒ」という整形外科の病気がヒットした。

この症状は「尺骨神経マヒ」だ!

尺骨神経マヒとは、手指を開いたり、閉じたりする運動に関係する尺骨神経が、骨の変形やケガなどによりダメージを受けることで起こる病気だ。指のつけ根が曲がりにくいところなど、症状にぴったり当てはまった。

「手や腕の使いすぎも原因になる」とも書かれており、杉山さんは、「たぶん、これの気がする、自分はデスクワークだし!」と確信したという。

すぐに近くの整形外科クリニックを受診したところ、予想通りの診断結果が告げられた。「このときは、ネットで調べたとはいえ、『病名を当てちゃうなんて、すごいぞ、俺!』と思いましたね(笑)」と杉山さん。

ちなみに件の整形外科医は、レントゲンの写真をじーっと見ながら、

「肘付近の神経(尺骨神経)が通る管が狭い。あなたのような人は、尺骨神経マヒを発症しやすいんですよ。以後、注意するといいでしょう」

と指摘したという。

杉山さんは神経の痛みを改善する内服薬を処方してもらい、クリニックを後にした。

しかし、薬を飲んで3日ほど経っても、症状はよくならない。それどころかしびれは増し、指は曲がりにくくなっているようにさえ感じた。

いよいよキーボードがまともに打てなくなり、「あの医者の診断は本当に合っていたのかな?」と、不安でたまらなくなってきた頃、ある変化が体に起こった。

「問題の指側、つまり右側の二の腕あたりに、『ブツブツ』と、ほんのり赤いふくらみができ始めたのです」(杉山さん)

「これは尺骨神経マヒではない!」

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