ラーメンの「1000円の壁」問題
筆者は数年前から、ラーメンの「1000円の壁」問題について取材、執筆してきた。どんなに美味しくても、どんなに高級食材を使っていても、ラーメン1杯の価格が1000円を超えるとお客さんが心理的に「さすがに高い」と感じてしまうという問題だ。
多くのラーメン店は原価や人件費などと戦いながら1000円以内の価格を長年守ってきたわけだが、ここ1~2年での水道光熱費や原材料の高騰を受けて、ラーメン店は「理想の価格」などとは言っていられなくなった。
高級食材を使うお店やガスで豚骨を炊きっぱなしのお店など、価格高騰のあおりを受けて、今までの価格では同じクオリティを維持できないレベルにまで来ている。
さすがに最近では、1000円を超える価格で提供する店も増えてきているが、1杯3000円や5000円ということもある海外と比較すると、日本のラーメン店はまだまだ安価なのは間違いない。
従業員はなかなか集まらず、最低賃金問題につねに悩まされ、人を育てる大変さも常々感じている中、日本のお店1つだけで続けていく限界を感じたのだという。
上野さんはまだ34歳。今後は海外に視野を広げて、さらに自分のラーメンで勝負していく。日本のことは見捨てず、お店を残してくれることは幸いだが、今後日本のラーメンがどうなっていくかはどうしても不安が残ってしまうのも事実だった。
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