各話ごと振り返る「不適切にも」の凄いポイント 最終回はルールを壊して未来を変えられるか

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うるさくて乱暴で俗っぽい不適切男だった市郎はいつしか令和の時代に必要とされ、純子も感化され生き方を見直していく。が、最終回直前の第9回では、「タイムマシーンはおしまい」と井上(三宅弘城)が名曲『タイムマシーンにおねがい』の節で歌い、気軽にいき来していたタイムマシーンが、スポンサーの出資打ち切りで稼働できなくなってしまった。

このまま令和に残ったら、1995年1月17日は回避できる? いや、昭和にいる純子を一人残せないと、父として激しく葛藤する市郎。運命を変えるのか、それとも運命に抗わないのか。宮藤官九郎はどちらを選択するか。ベテラン作家・エモケンこと江面賢太郎(池田成志)だったら、どっちの展開を書くだろう。

余命3カ月の主人公(岡田准一)の日常を描いた、宮藤の『木更津キャッツアイ』(2002年)のようになるのか、令和のタイムスリップもののヒット作で、バカリズムが書いた『ブラッシュアップライフ』(2023年 日本テレビ)のようになるのか。回収されたら喝采しそうな伏線はあるのか。まったく予想がつかない。そこがいい。

「お断りテロップ」という画期的な発明

まずは最終回を前に、簡単に各話を振り返ってみよう。

第1話:頑張れって言っちゃダメですか?
「この作品には 不適切な台詞や喫煙シーンが含まれていますが時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み1986年当時の表現をあえて使用して放送します」というお断りテロップによって、すべての不適切な言動が許される、素晴らしい発明を生み出した。

1986年から2024年にタイムスリップした小川市郎は令和の価値観に驚くばかり。でもその、価値観のすり合わせが説教臭くなりそうなところをミュージカル仕立てにしてこれまた回避した。

第2話:一人で抱えちゃダメですか?
ワンオペ育児に悩む渚に、意外にも市郎が助けになる。第1話の出会いから、なんとなくいい感じになっている2人だが、まさかの展開が待っていようとは思いもしなかった。

純子の1980年代の不良可愛い雰囲気に視聴者は釘付け。

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