中国・雲南で「電力の不足と余剰」同時発生のなぜ 水力発電は渇水深刻、風力・太陽光は1年で倍増

✎ 1〜 ✎ 1396 ✎ 1397 ✎ 1398 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それだけではない。昆明電力交易センターはさらに、風力発電所と太陽光発電所の大量建設に伴う電力余剰と、異常渇水による電力不足が同時発生するリスクを指摘した。

風力発電や太陽光発電は、気象条件による出力の変動が大きい。一般的には、火力発電所の出力をきめ細かく調整することで電力供給を安定させるが、雲南省では火力発電の比率が低下したため、調整機能が不十分になってしまった。

雲南省では再生可能エネルギー発電の設備容量が急増している。写真は国有投資会社の国投雲南新能源が建設した風力発電所(同社ウェブサイトより)

雲南省の再生可能エネルギー発電の設備容量は、2023年末時点で風力発電が1530万kW、太陽光発電1959万kWに上る。両者の合計は過去1年間で2倍以上に急増した。

青海省でも問題が顕在化

そのため、昼間の太陽光発電のピーク時と夜間の風力発電のピーク時に、消費しきれない電力を捨てざるを得なくなる可能性があると、昆明電力交易センターは指摘する。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

風力発電所と太陽光発電所の建設ブームが中国全土で過熱するなか、電力不足と電力余剰の同時発生というジレンマは、雲南省だけの問題ではなくなりつつある。

例えば中国西北部の青海省では、水力発電、風力発電、太陽光発電の合計設備容量がすでに全体の9割を超えた。そのため夜間には電力が不足し、昼間には電力が余るというミスマッチが顕在化している。

(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は2月20日

財新編集部

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事