それだけではない。昆明電力交易センターはさらに、風力発電所と太陽光発電所の大量建設に伴う電力余剰と、異常渇水による電力不足が同時発生するリスクを指摘した。
風力発電や太陽光発電は、気象条件による出力の変動が大きい。一般的には、火力発電所の出力をきめ細かく調整することで電力供給を安定させるが、雲南省では火力発電の比率が低下したため、調整機能が不十分になってしまった。
雲南省の再生可能エネルギー発電の設備容量は、2023年末時点で風力発電が1530万kW、太陽光発電1959万kWに上る。両者の合計は過去1年間で2倍以上に急増した。
青海省でも問題が顕在化
そのため、昼間の太陽光発電のピーク時と夜間の風力発電のピーク時に、消費しきれない電力を捨てざるを得なくなる可能性があると、昆明電力交易センターは指摘する。
風力発電所と太陽光発電所の建設ブームが中国全土で過熱するなか、電力不足と電力余剰の同時発生というジレンマは、雲南省だけの問題ではなくなりつつある。
例えば中国西北部の青海省では、水力発電、風力発電、太陽光発電の合計設備容量がすでに全体の9割を超えた。そのため夜間には電力が不足し、昼間には電力が余るというミスマッチが顕在化している。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は2月20日
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