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若者が「ブラック企業」を避ける本当の厳しい理由 国立大女性教員がみるリアルな社会問題(前編)

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若者の価値観が醸成された背景には日本の根本的問題がある(写真:PIXTA)

内閣府が発表した2023年の名目GDP(国内総生産)が591兆4820億円となり、日本はドイツに抜かれてGDP世界3位から4位へと転落した。日経平均株価は1989年につけた史上最高値を2月22日に更新したが、30年以上超えられなかった。その中でもはや誰の目にもはっきりしているのが、「ブラック企業」で働くのを良しとしない若者の姿だ。

「タイパ(タイム・パフォーマンス)」「コスパ(コスト・パフォーマンス)」など時間・費用対効果を求める「いまどきの若者」の感覚に、新入社員が入社1年目で転職する理由を求めるコラムを最近読んだが、見当外れとしかいいようがない。問題は世代間ギャップなどではなくもっと根本的なものだ。

ライフワークバランスを求めるしかない

経済成長がない日本の企業には大幅な昇給や多額のボーナス、充実した福利厚生は期待できない。ならば、「早く帰れる」「土日休める」「転勤がない」「有休・育休がとりやすい」など、ライフワークバランス面での待遇に働く条件を求めるしかない。それだけのことだ。

本稿では、地方国立大学で多くの大学生に接しながら2歳の子供を育てる筆者の経験から、ライフワークバランスを軽視した国立大学や自治体の労働環境が、どのように離職や若者離れを引き起こしているのかを解説する。

大学生からの相談でいちばん困るのは、実は「大学院に進みたいです」というものだ。私が数少ない女性教員のため、相談してくるのは皆、才能のある優秀な女学生だ。人格も優れていて、魅力的な人柄で、こんな大学教員がいたらいいなと想像する。だからこそ困るのだ。

文部科学省の2022年度の学校基本調査によると、日本の大学教員全体の女性比率は26.7%。ところが、私も働いている国立大学になると女性教員比率は19.1%、教授に限ると11.6%しかいない。

 

2023年11月28日付の朝日新聞記事は、学生の女性比率が極めて低い(ゆえに博士号を取得して教員になる女性も少ない)理工農系学部があることに、国立大学の女性教員率の低さを求めているが、それだけではないだろう。

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