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ライフ #ボクらは「貧困強制社会」を生きている

「バイトアプリで出禁」諦めない49歳男性の戦い 飲食店では契約外の「ツタの掃除」を命じられた

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スマホの単発バイトアプリでフードデリバリーの仕事をしているサトルさん。取材で話を聞いた後も予定があるといい、鞄の中には上着やバイク用グローブなどが入っている(筆者撮影)
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現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「先日の、タイミーさん記事を拝読しました。同様の働き方をしておりまして、私も良ければお話できたらと思いました」と編集部にメールをくれた49歳の男性だ。

自分の名前で呼ばれることはほとんどない

「今日のシェアフルは使えませんでしたねぇ」

ファミレスでの配達の仕事を終えて帰ろうとしたときのこと。厨房からスタッフたちの声が聞こえた。明らかに自分に向けられた陰口だ。

サトルさん(仮名、49歳)はスマホのバイトマッチングアプリを利用した日雇い仕事で生計を立てている。職場では自分の名前で呼びかけられることはほとんどない。代わりに「シェアフルさん」「タイミーさん」「ショットワークスさん」といったアプリ名で呼ばれる。

「使えない」と言われたこの日はたしかにトラブル続きだった。まず出勤したことを記録するために必要なQRコードが用意されていなかった。サトルさんがアプリ側に問い合わせるなどして、なんとか勤怠は報告できたものの、店舗スタッフからは「朝からばたばたするの、やめてもらえますか」と、なぜかサトルさんが責められたという。

さらに3月上旬だというのに七分袖の制服しか用意されていなかった。配達にはバイクを使う。サトルさんがやむをえず自分の上着を羽織ろうとすると、スタッフから「会社指定のものじゃないのでアピアランスに反しますね」とダメ出しをされた。身だしなみ規定違反ということらしい。サトルさんが「外はまだ寒いんですけど……」と訴えると、渋々といった様子で会社のロゴが入った「薄汚れたトレーナー」を渡されたという。

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【勤務中、スタッフたちの態度は高圧的なまま】

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