「家事育児に自信ない」婚活女性が心配無用な理由 結婚で選ばれる条件、男女で大きな認識のズレ

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調査ではこのほかにも、未婚の男女が結婚相⼿に求める条件について誤った思い込みがいくつか見つかっています。このズレから、結婚に自信が持てず、踏み出す勇気が持てない、または相手に対して過剰防衛に走ってかたくなになってしまい、マッチングが難しくなっているのではないか、という示唆が得られる結果となっています。

家事育児能力を過剰に重要視する女性サイドの思い込みに関しては、とりわけ自らの母親の姿が、娘にとって「結婚に踏み出すことを妨げかねないガラスの天井」となっている可能性があります。育児休業法が施行されたのは1992年です。その年に生まれた赤ちゃんがやっと今年、31歳という状況にあります。

したがって、それより上の年齢の男女は、生まれたときにはまだ育児休業法すらなかったので、母親が出産後も継続的に働いている割合は高くなく、統計上も1990年代は専業主婦とパートなどを含めた共働き主婦がほぼ半々、という状況が続いている時代でした。

「家事育児に自信が持てない」でも大丈夫

女性の社会進出が進んできている令和時代においても、20〜30代の若い女性が、実際の男性側のニーズから大きく乖離して「家事や育児」を結婚相手として選ばれる決め手といまだに考えているという結果は、残念なことだと思います。

多くの若い女性が専業主婦やパート主婦であった自らの母親像を引きずり、過剰に家事育児を重要ととらえて結婚に踏み出す妨げとなる「ガラスの天井」を作る、という自縄自縛が発生してしまっているとだとするならば、そんな若い女性たちに「家事育児に自信が持てない、そんなあなたのありのままでいいんだよ」と、この調査結果は強く訴えていると思います。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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