2018年6月に成立した働き方改革関連法により、労働基準法、労働安全衛生法、労働者派遣法、パートタイム・有期雇用労働法など労働法分野の法律が一括で改正された。以下では、働き方改革関連法の重要ポイントを確認したうえで、同法が与えた影響と近時の法改正や人事のトピックで押さえるべき点を説明する。
(1)時間外労働の上限規制 時間外労働について、月単位・年単位で上限規制が設けられ、違反には罰則も設けられた。この上限規制は中小企業にも1年遅れの20年4月から適用され、各企業は上限規制に抵触しそうな場合、事前にアラートが出る出退勤システムを導入するなど、上限規制に違反しないための労働時間管理が必要になった。この上限規制について5年間の猶予期間が設けられていた輸送関連の業務でも、24年4月以降は時間外労働が年間960時間に制限される。これによりトラック運転手が不足し、荷物の配送に影響が出ることが懸念されており、物流業界で「2024年問題」と呼ばれている。
計画的な年休消化を実施することが必要に
(2)年5日の年休付与 10日以上の年休(年次有給休暇)が付与される社員を対象として、企業が時季を指定して年5日の年休を取得させる制度が設けられた。この年5日の日数からは、社員自身が請求した年休や計画年休で付与された分は控除される。各企業は年休管理方法の見直しを行い、計画的な年休消化を実施することが必要になった。
(3)中小企業の月60時間超の割増賃金 月60時間超の割増賃金に関する中小企業の猶予措置が廃止され、23年4月以降は月60時間超の時間外労働の割増率は5割以上となった。中小企業で従前の割増率(2割5分以上)を前提とした人件費や定額残業制度の設定・運用は見直しが必要になった。
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