丸ノ内線はというと、東京西郊の荻窪駅を発して新宿・霞ケ関・銀座・東京・後楽園・池袋。東京都心を半円状にぐるりと回っていて、途中の赤坂見附駅では銀座線と対面乗り換えができる按配だ。ちなみに、「東京駅」を持つ唯一の地下鉄路線でもある。ともあれ、銀座線と丸ノ内線をうまく使えば、それだけでも充分に東京の主立った場所に行くことができるというわけだ。
ちなみに、銀座線・丸ノ内線とともに他路線との直通がない路線に、都営地下鉄大江戸線がある。大江戸線は1991~2000年に開業した比較的新しい路線で、2000年に大江戸線と称するまでは「都営12号線」と呼ばれていた。そのときは新宿から練馬、光が丘に走る郊外路線に過ぎなかったが、大江戸線と称して全通した後は東京の都心をぐるりと6の字運転。都庁前・新宿を中心に、六本木や麻布十番・月島・門前仲町・蔵前・飯田橋と走る。
丸ノ内線と比べると、いささか地味なエリアを走っているきらいもある。それは公営交通である都営地下鉄の悲哀とも言えるが、また東京という街の規模の大きさを物語っているといってもいい。石原慎太郎知事(当時)の鶴の一声で「大江戸線」の名に決まったといい、あれこれケチをつける向きもあったというが、山手線の外にも広く路線を延ばすこの路線らしい、案外にしっくりくる名前なのではないかと思っている。
東西に走る路線の代表格
ここからは、東京の地下鉄をどの方向に走っているかで分類してみることにしよう。1つは、東西方向。もう1つは、南北方向。まずは、東西方向に都心を抜ける地下鉄からだ。
東西方向の地下鉄の代表格は、東京メトロ東西線だろうか。結んでいるのは中野―西船橋間で、両端ではJR総武線や東葉高速鉄道線と直通運転を行う。途中にあるのは高田馬場・飯田橋・大手町・日本橋・門前仲町・東陽町・葛西。東京都外に出ると、浦安などがある。50年ほど前に開業した当時から、東も西も郊外の発展はめざましいものがあり、いまや日本屈指の混雑路線になった。コロナ禍前には木場―門前仲町間の混雑率が199%と、まさにすし詰めの満員電車であった。
この東西線と九段下駅で接続し、ほとんど同じような役割を担っているのが都営地下鉄新宿線。こちらは京王線と相互直通運転をしながら、新宿―本八幡間を結んでいる。新宿三丁目や市ヶ谷、神保町などを通るが、大江戸線と同じくどちらかというと地味なエリアを中心に走る。JR中央線や東京メトロ東西線の混雑緩和が目的の、いわばバイパス路線である。
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