「中年男性が大喧嘩」ネトフリ恋愛番組の奥深さ 「あいの里」が描く大人の恋愛にハマる人続出
とあるビレッジの古民家に集められた男女たちは、力をあわせて家をリフォームしたり、畑仕事をしてバーベキューをしたり、毎日の食事を一緒に作ったりしながら、田舎の一軒家で共同生活を送る。
そのなかで恋をして告白し、カップルになれば2人でビレッジを出る。振られれば1人で去り、また新しい人が入ってくる。タイミングごとに出演者の心情を吐露する場面や、毎日全員が書いている日記の内容なども挟み込まれる。
35歳以上ならではの話題も
かつての恋愛リアリティー番組とフォーマットも似ており、既視感だらけの枠組みのなかで、本番組を成立させているのは出演者たちの年齢と属性だ。
12歳の息子を持つシングルマザーの45歳セラピストや、結婚歴なしの35歳経営者、結婚歴2回の60歳絵本作家、海外で活動していた結婚歴あり51歳俳優、心理学者でクリニックを経営する結婚歴なし60歳など、なかなかの濃いメンバーばかり。このメンバーを見ただけでも、どんな番組になるのか気になってしまう。
実際に見てみると、年齢層が高いだけに落ち着いた雰囲気になるのかと思いきや、いきなり出演者たちのテンションが高い。1〜2話を見たあたりでは、年甲斐もなくはしゃぐ姿や、第一印象では誰がいいというトークなど、従来の恋愛リアリティー番組と何ら変わらない彼らの姿が映る。
ただ、セックスなど性的な話も出てくるのが、この年代ならではと納得する部分もある。年を重ねた分の男女間の距離が10〜20代とは明らかに異なるのだ。
「人生最大の大勝負」と言いながらあっという間に意中の人ができたり、理想の相手を見つけて、相手が自分にとってふさわしいかを見極めるのが早いのも、本番組ならではだろう。
そんな本番組だが、見続けていくとじわじわと味わいが出てくる。たとえば、男性2人が大ゲンカをするが、その場を収めた後の女性陣は「あの人はグループの調和をどう考えるのか知るいい機会になった」「自分中心の人だとわかった」と笑い合って雑談しながら、人となりを冷静に見極めている。そこからは、大騒動に動じない度胸の持ち主ぞろいであることが伝わってきた。
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