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政治・経済・投資 #チョコレートパイはなぜ1個目がいちばんおいしいのか?

食べ放題店「食べられすぎて倒産」はありえない訳 まとめ売りの個当たり単価が下がる経済学的理由

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  • キム・ナヨン 韓国・ソウルのヤンジャン中学校社会科教師

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バイキング形式のレストランがつぶれないのは理由がある(写真:Rawpixel/PIXTA)
「実験経済部」それは韓国ソウルの中学に実在する部活動です。
中学生でもわかる、ゲームを使った活動によって世界中の名門大学へ卒業生を送り出し、法曹界や医学界など様々な分野に優秀な人材を輩出しています。2019年には13年以上に渡る活動が韓国政府からも評価され経済教育大賞を受賞しました。
顧問を務めるナ先生ことキム・ナヨン氏の著書『チョコレートパイは、なぜ1個目がいちばんおいしいのか? ――韓国最強「実験経済部」の生徒が学ぶ中学生でもわかる経済の話』より、実験経済部の活動内容を再現、5回にわたってお届けします。

チョコレートパイを食べられるだけ食べてみる

「チョコレートパイほしい人ー?」

手に持ったチョコレートパイを振りながら、ナ先生がみんなに聞いた。ちょうどおなかが空いていた実験経済部の生徒たちは、手を挙げながら叫んだ。

「ハイ! ハイ!」

「じゃあ、公平に全員でじゃんけんして決めましょうか?」

接戦の末、勝ったのはジェジュンだった。

「ジェジュン、前に出てきてチョコレートパイを食べてもらっていい? もうじゅうぶんって思うまで食べてもらってかまわないから」

チョコレートパイを受け取ったジェジュンは、あっという間に1つ平らげた。

「チョコレートパイを食べたときの満足感は、最高で10点とすると何点になる?」

ナ先生が質問した。

「10ではないけど、9点くらいかな?」

「ありがとう、じゃあ、もう1つ食べてみて」

もう1つ手渡されたジェジュンは、2つめのチョコレートパイもすばやく平らげた。

「今度は8点!」

こんなふうにして、チョコレートパイを食べては満足度を答えることを繰り返した。食べた数が増えるほど、食べるスピードは落ちていった。

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【「おなかいっぱいだったら、もう食べなくていいのよ」】

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