20代で生命保険に入るのは、やめなさい 何のために、誰のために入るのか?

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よく「健康保険では頼りないから民間の保険に加入しています」といった話が、生命保険の広告などに掲載されるケースがあるのですが、それは民間の保険商品を販売するための宣伝文句です。だまされないように。実は日本の健康保険制度は世界的にも非常に評価が高く、かなりの部分をカバーできます。

ね。このように考えていくと、実際に生命保険って本当に必要なの?って思われるでしょう。そうなんです。生命保険に入っていてよかったと思われる場面というのは、実は非常に少ないのです。それどころか、場合によっては「使えない」というケースも考えられます。

高齢者になるまでに、しっかり金融資産を作る

たとえば、入院給付金として1日1万円が出るというがん保険に加入していたとしましょう。それも若いうちに加入して保険料を払い続け、30年後にがんにかかって、いよいよ入金給付金をもらおうとしたら、そのときにはインフレが進行していて、月1万円の入院給付金の価値が、今の1000円程度になっていることも、十分に考えられます。

あるいは、がんの3大治療法といえば放射線、手術、抗がん剤治療になりますが、昔のがん保険にはその治療法の縛りがあり、現在の治療法に対して対応できないというケースもあります。要は、この手の治療法に縛りが設けられているようながん保険には、そもそも加入すべきではないのです。

ましてや、「変額年金保険」のような、運用をするための保険商品は、まったく利用する必要がありません。なぜなら保険部分があるためコストが極めて割高になりますし、そんなもので運用するなら、最初から投資信託の積立投資をすればいいのです。

あくまでも確率の問題ですが、自分が病気にかかり、医療費がかかるようになるのは、かなりの高齢になってからでしょう。高齢者になって、健康保険ではカバーし切れない医療費に関しては、それまでにある程度の金融資産を作れれば、十分に対応できます。

ということで、結論としては生命保険に加入する必要はない、と断言できてしまうのです。
 

井戸 美枝 ファイナンシャルプランナー

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いど みえ / Mie Ido

神戸市生まれ。 関西と東京に事務所を持ち、年50回以上搭乗するフリークエントフライヤー。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。『世界一やさしい年金の本』(東洋経済新報社)、『知らないと損をする国からもらえるお金の本』(角川SSC新書)、『現役女子のおカネ計画』(時事通信社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』(日経BP)『親の終活、夫婦の老活 インフレに負けない「安心家計術」』(朝日新書)など著書多数(ホームページ​経済エッセイスト井戸美枝FBページ)。

 

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