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「インフレとの戦い」FRBとECBの決別で為替が動く 利上げ終着点が近いFRBの後悔、まだ続けるECB

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  • 唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

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中銀のスタンスの違いがユーロ・ドルに反映される(写真・Bloomberg)

東京市場がゴールデンウィークで休場の中、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)といった海外主要中央銀行では大きな動きが相次いだ。

まず5月2~3日のFOMC(アメリカ連邦公開市場委員会)は0.25%の利上げを決定したものの、従前の利上げに伴う累積効果に加え、相次ぐ国内地方銀行の破綻を受けた与信環境の引き締まりなども意識され、声明文において利上げ停止が示唆されるに至っている。

具体的には追加利上げを示唆していた「追加の政策措置が適切」との表現が削除され、「追加策がどの程度必要か決定する際には、これまでの金融引き締めの累積的な効果や経済や物価に時間差で与える影響を考慮する」と利上げ打ち止めを示唆する表現が挿入されている。利上げの終着点は近いと考えるべきだろう。

市場は利上げ停止の先にある利下げ可能性まで織り込み始めており、FOMC直後のドル円相場は年初来高値となる138円付近から一時134円割れまで急落した。

需給で動く円はそれでも買われない

こうした「年初来高値にある円安・ドル高が、金融不安を受けて反落(円高・ドル安)を強いられる」という展開は、2月下旬から3月上旬にかけて直面した光景とまったく同じだ。金融不安が与信環境の引き締まりを促し、結果として利上げの必要性が小さくなり、米金利低下とドル安に直結するという展開は論理的ではある。

だが、金融不安が第2次リーマンショックのような事態に至らないという理解が広まれば再び円安になる、というのが引き続き筆者の基本認識である。利上げ停止と利下げ開始は同義ではなく、日米金利差の顕著な縮小は見込めない。とすれば、需給環境が大崩れしている円が積極的に買われる理由はない。シンプルな話である。

筆者はあくまで「需給構造変化を映じた円安」を予想の主軸としており、アメリカの金利動向はドル円相場の水準感には影響しても方向感には影響しないという立場だ。現在起きている(そしてこれから起きるであろう)FRBの姿勢変化が円安相場を断ち切り、円高相場を促すとまでは考えていない(「『円高はやってこない』FRBが利上げをやめても」)。

FRBの早期利下げ転換は円高相場を引き起こすだろうが、その可能性は今のところ高くない。

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