「WBC」侍ジャパンにとって油断大敵な国の実態 2次ラウンド最大の強敵となりそうなオランダ
一方で、投手陣は手薄です。計算できる投手もいますが、メジャー通算391セーブの抑えケンリー・ジャンセン(35=レッドソックス)、先発で実績のあるジェア・ジャージェンス(37=元ブレーブス)は決勝ラウンドのみ参戦予定。駒不足は否めません。
それでも、メジャー通算287勝で殿堂入りしたバート・ブライレブン投手コーチは投手陣に、「初球ストライクを取り、有利なカウントにする」ことを提唱。「ストライクゾーンで攻めろ」という徹底指導により、過去大会では実績のない投手が予想以上の好投を見せました。
そういう意味では、今大会もオランダ投手陣がどんなピッチングを見せるか、対戦実現なら日本がいかに初球ストライクを打つかが、勝利のカギを握ると思います。
かつてはアマチュア最強国だったキューバ
そして、2次ラウンドで対戦の可能性があるもう1カ国には、キューバを挙げます。「赤い稲妻」はオリンピックなどの国際大会で華々しい成績を残し、かつてはアマチュア最強国に君臨。だが21世紀に入って亡命者が続出し、人材がメジャーへ大量に流失。代表は弱体化の一途をたどりましたが、今大会から初めてメジャー選手の参加が決まり、復活なるか興味深いところです。
MLBからは、伝統的にキューバ出身選手を輩出するホワイトソックから、ヨアン・モンカダ三塁手(27)とルイス・ロバート外野手(25)の2人が参戦します。
メジャー4年目のロバートは若く、20年ア・リーグ新人王投票2位でゴールドグラブ賞を受賞。21年は自己最高の打率3割3分8厘、13本塁打と活躍しました。一方、元レッドソックスの若手有望株だったモンカダは16年オフにエース左腕クリス・セールとのトレードで移籍。19年には自己最高の打率3割1分5厘、25本塁打をマーク。今大会ではロバートと2、3番打者として期待されます。
さらに、13、14年と2年連続ホームランダービーで優勝し、メジャー通算165本塁打のヨエニス・セスペデス外野手(37=元メッツ)も代表入り。メジャー組の合流により、チーム力は確実にアップします。さらに、日本プロ野球(NPB)所属のマルティネス、ロドリゲス(ともに中日)、モイネロ(ソフトバンク)、昨季までNPBでプレーしたグラシアル、WBC通算7本塁打のデスパイネ(ともに元ソフトバンク)らの活躍次第では、日本を脅かす存在になるかも知れません(大リーグ研究家・福島良一)
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