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ライフ #今週のもう1冊

所有欲という「悪魔」が「共有地の悲劇」を招く 『人はなぜ物を欲しがるのか』書評

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  • 河野 龍太郎 BNPパリバ証券 経済調査本部長・チーフエコノミスト

INDEX

人はなぜ物を欲しがるのか 私たちを支配する「 所有」という概念(ブルース・フッド 著/小浜 杳 訳/白揚社/3300円/320ページ)
[著者プロフィル] Bruce Hood/カナダ生まれ。英ブリストル大学心理科学部発達心理学教授。認知発達に関する研究で数々の賞を受賞。米科学的心理学会、英心理学会および王立研究所のフェロー。著書に『スーパーセンス』がある。

技術革新と資本蓄積によって100年後には実質所得が4〜8倍に増え、人々の基本的なニーズが満たされる豊かな社会が来る。1日10時間の労働は3時間に減り、余った時間をどう過ごすかが重要課題になる──。

そんなケインズの予言から100年近く経つ今、実質所得は確かに増えたが、労働時間は当時とさほど変わらない。人の所有欲に限りがないのをケインズは見落としていた。

その後の多くの研究は、基本的なニーズや快適さが満たされた後、それ以上のものを所有しても幸福感は増えない、と示す。それでも人がより多くを所有しようとし、地球の未来に害をなす可能性を知りながら経済活動を続けるのはなぜか。発達心理学の世界的権威が、哲学や進化学、行動経済学などさまざまな研究を駆使して探った。

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