一方、半導体を筆頭に製造のための部材が不足気味で、メーカーの納期が長期化している。国内工作機械メーカーの受注残高は、22年10月末時点で、前年同期比44.3%増の9200億円を記録。過去最高額を更新した。

ある大手工作機械メーカーの担当者は、「注文しても早くて半年、場合によっては1年以上かかる」と打ち明ける。
注文しても納品まで時間がかかるため、顧客側は前倒しで発注する現象が生まれた。メーカー側も部材不足などで生産が追いつかないため、さらに受注残が積み上がるという悪循環に陥っている。

ただ、こうした歴史的な受注残は今がピークになりそうだ。ユーザーの前倒し発注が一巡してきたためで、「前倒しの発注はなくなり、受注残解消の方向へ向かっていく。その分、少しエンドユーザーの発注は減る」(稲葉会長)。
部材不足に関しては、メーカー各社はそろって「油断できない状態が続く」と懸念を示す一方で、「非常に厳しかった時期に比べるとだいぶよくなってきた」「半導体の供給が少しずつ戻ってきている」とも話す。
受注がピークアウト
こうしたことから、23年の工作機械業界は受注がピークアウトし、若干の調整局面に入るという見方が有力だ。
理由はほかにもある。これまで受注を牽引してきた半導体業界の設備投資需要が、22年内で一服する可能性が高い。「(半導体不足に伴う)緊急対応的な増産に対するものはほぼ終わった」(稲葉会長)といい、ある業界関係者も、「23年前半くらいまである程度の調整が入る。後半から巻き返すことになるのでは」と慎重な見方を示す。
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