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「黒船の刺激」こそ日本のベンチャー振興に必須だ 米国で20年ベンチャー投資、WiL伊佐山氏の提言

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「今から投資しようとしている人にとっては最高の環境になった」と指摘する伊佐山氏(写真:WiL)
パナソニック・ホールディングスやソニーグループ、日産自動車など日本の大企業がそろって出資するのが、日米を拠点とするベンチャーキャピタル(VC)のWiLだ。2022年6月に3つ目となるファンドの組成を完了、運用総額は2500億円を超えた。
昨今の金利上昇と株式市場の低迷を受け、アメリカを中心にベンチャーの評価額が大きく落ち込む事態となっている。そんな中、WiLはベンチャーに直接投資するファンドだけでなく、ほかのVCに出資するファンド・オブ・ファンズも設立。欧米のトップ級VCとも関係を強固にしている。
アメリカでベンチャー投資を20年続けている伊佐山元代表は、経済産業省のベンチャー育成事業に協力するなど、政府との関係も深い。昨今の市況や岸田文雄政権のスタートアップ政策、そして欧米のVCが今考えていることなどを聞いた。

ビジョン・ファンドらが起こした「インフレ」

――日米欧でベンチャー投資を長年続けていますが、昨今の市況をどう見ていますか。

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投資家にとっては、プラスとマイナスの両面があるだろう。

前提として、現状のアメリカのように金利が上がると株式市場が落ちる。それにつれてベンチャーの評価額も下がってしまう。2020年、2021年と金利がずっとほぼゼロだった。カネ余りが起きたことで、ベンチャー投資をやったことがない投資家が入ってきた。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドやタイガー・グローバル・マネジメントといった伝統的なVCではない人たちが大量に流れ込み、(ベンチャーの評価額において)金融の理論では説明できないようなインフレが起きてしまった。

そうしたインフレが起きると、2年間はまったく投資の仕事をしないという人と、仕事をしないことにプレッシャーやストレスを感じるので無理にでも投資するという人に分かれる。結局多くの人は高値だとわかっていても投資するので、今回のように市場が落ち込めば損失を出してしまう。

――プラスの側面でいうと?

今から投資しようとしている人にとっては、2つの意味で最高の環境になった。1つは評価額が適正な水準になり、以前より安く投資できるようになったこと。もう1つは、新しいテーマの投資がしやすくなったことだ。

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