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ビジネス #すごいベンチャー100 2022年版

アパレル店員の「賃上げベンチャー」が生む次の波 自己資金だけで流通総額1380億円に到達の異例

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「スタッフがやめたくないと思えるサービスを作ったら勝ち」と語る小野里寧晃氏。店舗スタッフのサービス利用継続率は非常に高いという(記者撮影)

アパレルのEC(ネット通販)サイトやインスタグラムで、店頭販売員が自身のコーディネートを提案する写真や動画を目にする機会が増えた。こうした投稿を、販売員自身の収入やブランドの売り上げにつなげるサービスが支持を集めている。バニッシュ・スタンダードが手がける「STAFF START(スタッフスタート)」だ。

ユナイテッドアローズ、トゥモローランド、ポーラ……。利用ブランド数は今や、アパレルや化粧品関連を中心に1700、利用販売員数は10万人を超える。スタッフスタートで作成されたコンテンツを経由したEC流通総額は、2021年に年間1380億円を記録。2020年の実績から25%増加した。

小野里寧晃代表は自社のことを「賃上げ企業」と標榜する。「頑張っている販売員が報われる世界をつくりたい」(小野里氏)という目標に向けスタッフスタートの展開を拡大しているが、ベンチャーキャピタル(VC)など外部からの資金調達に頼らず、自己資金のみで成長を続けているのもユニークな点だ。

あいまいだった「貢献度」が明確に

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スタッフスタートは販売員によるオンライン接客を総合的に支援するサービスだ。最も利用されているコーディネート投稿機能は、店舗販売員が撮影したコーディネート画像に商品情報などをひもづけてECサイトやSNSに投稿できるもの。それらの投稿を通じてどの商品がどれだけ売れたかを可視化でき、販売員や店舗の実績評価に活用できる。

ECはリアル店舗とは別で本部が管理している場合が多く、そこで商品が売れても販売員には無関係だ。そのため、コーディネート提案のSNS投稿を自主的に行う販売員がいても手応えを得にくく、意欲が湧きづらかった。

スタッフスタートを使えば、販売員には「あなたの投稿から商品が売れました」とメッセージが届く。自身の貢献度を把握できれば、モチベーションは向上する。本部からしても、貢献度に応じた評価を行いやすい。

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