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ビジネス #すごいベンチャー100 2022年版

「過酷な検品」を変える産総研ベンチャーの新境地 AIの難点を克服し「不良品サンプル」なしで実現

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もともと企業経営に関心があったという河邑氏。三井物産、DMM.comを経て、2020年4月からアダコテック代表(記者撮影)

5人に1人――。これは工業製品の製造現場における、「検品」担当者の平均的な割合だ。製造業全体の人手不足や熟練者の高齢化は、この検査・検品の領域にも影を落としている。

ものづくりにおいて、生産過程の自動化は着々と進んでいる。一方で検品プロセスについては、いまだ人の目への依存度が高い。検品は製品の最終的な品質を担保するために失敗の許されない工程だからだ。

その業務は過酷を極める。勤務中、ずっと同じ姿勢で製品の傷や欠陥を探し続ける作業に集中し続けるのは難しく、目や腰への負担も大きい。さらに、日本は工場の製造品質が高いため、不良品の発生は多くない。検品工程は欠くことができないが、その労働が生み出す成果は限定的だ。

「高品質」ゆえのハードル

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もっとクリエイティブで楽しい作業に人間を従事させることが、業界の発展のために必要ではないか――。そんな思いで2012年3月に設立されたベンチャーがアダコテックだ。設立以来、東大系ベンチャーキャピタルなどから累計で約20億円の資金を調達している。

アダコテックが手がけるのは、AI(人工知能)によって検品作業を自動化するソフトウェア。月額のサブスクリプション形式で販売している。すでに自動車業界で「ティア1」と呼ばれる最大手級の部品メーカーなど、さまざまな現場に導入が進む。

検品を自動化するうえで、すべきことは一見シンプルだ。正常品と不良品を見分けること。ディープラーニング(深層学習)で検品の自動化に挑む会社は過去にも現在にも多く存在する。

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