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日本で「両利きの経営」が大注目された根本理由 実務家が学ぶべき「経営理論」という共通言語

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  • 冨山 和彦 経営共創基盤(IGPI)グループ会長
  • 入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授

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真因を探すためには抽象化思考が必要となりますが、面倒だからと飛ばしてしまっていませんか?(写真:ふじよ/PIXTA)
【写真を見る】日本で「両利きの経営」が大注目された根本理由 実務家が学ぶべき「経営理論」という共通言語(3枚)
既存の業界秩序が破壊される時代、既存事業の「深化」により収益を確保しつつ、不確実性の高い新領域を「探索」し、成長事業へと育てていく「両利きの経営」が欠かせない。
この「両利きの経営」研究の第一人者であるチャールズ・オライリー、マイケル・タッシュマンの『両利きの経営――「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く』が、2019年2月に刊行され、日本のビジネス界でも大きな話題になった。今回、新たに2章分が加わった増補改訂版が翻訳出版された。
本稿では、前版に続いて、解説者を務める経営共創基盤グループの冨山和彦氏と早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏が、両利きの経営をはじめとする経営理論から学ぶことについて対談した。

なぜ「両利きの経営」は読まれているのか?

冨山:『両利きの経営』の日本語版の発行部数が10万部と聞いて驚きましたが、それだけみんな勉強しなくてはいけないと感じているのかもしれません。

『両利きの経営(増補改訂版)』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

アメリカの経営者は基本的に、創業経営者か、少なくとも大学院の学位を持っている人がほとんどで、相応の知的訓練を受けています。日本の場合、既存の事業領域で営業や生産などのオペレーショナルな業務をやってきて、急に経営者になった人が多い。

だから、簿記会計から始まる必修科目を学んできていません。これまでは、それでも何とかなったけれど、ディスラプションの世界では戦略的なストレスがかかり、ゴルフや銀座の接待で物事を回す、マンガの島耕作モデルではさすがにまずいと思っているからだと、僕は分析しますが。

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【島耕作は作品としては面白いけど…】

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