「運がいい人」に特徴的な不安を感じない性格 運を信じる人はストレスに強く、集中力が高い

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もうひとつ、人によって性格が異なる特徴として、「特性不安」が挙げられる。おそらくあなたの知り合いにも、ほかの人より不安感の強い人がいるだろう。

というよりも、人によっては、不安感が強いのがその人の性格の安定した大きな特徴なのだ――これを特性不安という。

特性不安が強い人は、さまざまな状況に脅威や危険を見いだしやすい。他人には脅威に思えないようなことも脅威に感じるし、一般に不安を生みだす(実際に脅威がある)状況では、この特性が低い人よりも強い不安を覚えやすい。

このように性格の一部として不安感を覚えやすい場合、注意をどこに向けるかという方法にも影響が及ぶし、出来事に対して運を説明に利用する方法やタイミングも変わってくる。

不運な人は不安感が強く気が散りやすい

神経科学者のソニア・ビショップは、特性不安が強い人は弱い人と比べて、背外側前頭前野の活動がきわめて弱いことに気づいた。

前頭葉の機能のこの違いは、完全に集中しなくてもこなせる課題に被験者が取り組んでいる際に顕著に観察された。

目の前の課題に完全に集中していない場合、不安感がきわめて強い人たちは、それほど不安感が強くない人と比べて、無関係な刺激に気が散りやすかった。

特性不安が強い人は、背外側前頭前野の活動が不活発で、なにか気が散ることが起こると、目の前の課題から注意をそらしやすかったのだ。

ビショップは、前頭前野の活動が不活発だからこそ、臨床での治療が必要なほどの不安感を訴える患者は集中することが困難なのだろうと示唆している。

もし、幸運であるためには注意力を効率よく采配しなければならないのなら、ビショップの研究結果によれば、幸運な人は不運な人よりも不安感を覚えていないうえ、前頭前野の注意制御システムをうまく活用できることになる。

(翻訳:栗木さつき)

バーバラ・ブラッチュリー 心理学者・神経科学者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Barbara Blatchley

アグネス・スコット・カレッジの心理学・神経科学の教授。インディアナ大学で学士号を、サウスカロライナ大学で博士号を取得。生理心理学、神経科学、リサーチにおける統計学、学習・感覚・知覚に関する心理学、うつ病の生物学的メカニズム、脳の発達に影響を及ぼす要因などを研究している。著書にStatistics in Context(2018年、未訳)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事