東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #シンクタンク厳選リポート

インターネット調査はどんなバイアスを生むのか 無作為抽出の面接調査でも回答が偏ってしまう

6分で読める 有料会員限定
  • 岩本 宣明 文筆家、ノンフィクションライター

INDEX

インターネット調査で生じるバイアス
無作為抽出の面接調査も危うい

・NIRA総合研究開発機構「インターネット調査におけるバイアス 国勢調査・面接調査を利用した比較検討」(2022年3月)

・NIRA総合研究開発機構理事長・東京大学教授 谷口将紀、同機構研究コーディネーター・研究員 大森翔子

インターネット調査はその手軽さが売りだ。しかし、ネットユーザーが日本人の全体を代表しているといえるだろうか(写真:PIXTA)

学術目的でもそれ以外の目的でも、手軽に実施できるインターネット調査が活用されている。だが、とくにサンプルの代表性について疑義が呈されてきた。一方、無作為抽出による従来型調査は、回収率の低下に伴う非回答バイアスが無視できない水準に達している。

本リポートでは、無作為抽出に基づく面接調査とインターネット調査を同時に実施。その結果を国勢調査のデータと比較することで、各調査にどのようなバイアスが生じているかを観察し、その補正可能性を検討する。具体的には、面接調査1種類とインターネット調査2種類を2021年4月2日から同時実施した。対象はいずれも全国の18歳以上の男女。居住地域や教育程度、労働力状態、住居の種類といった国勢調査と共通する項目について質問した。面接調査では1124人の有効回答(回収率27.5%)が得られ、インターネット調査では1500人と1569人の回答があった。

バイアスの存在

調査結果を国勢調査のデータと比較したところ、回答者の基本的な社会属性について顕著な差が浮かび上がった。面接調査の回答者には「平均年齢が高い」「持ち家率が高い」「5年前と居住地が同じ人が多い」といった特性があった。インターネット調査の回答者は大都市在住率が高く、高学歴の人も多かった。つまり面接調査もインターネット調査もサンプルの代表性についてバイアスが存在するということだ。

代表性のバイアスは統計学的手法により補正できる可能性がある。本リポートでは、国勢調査のサンプルデータに基づき、傾向スコアを用いた重み付け法を採用して、面接調査データとインターネット調査データの補正を試みている。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象