マンション修繕のための積立金の上昇が続いている。首都圏のファミリーマンションを対象にした東京カンテイの調査によると、2020年の修繕積立金の平均は月8040円と5年連続で上昇。21年1〜6月も同8171円と、右肩上がりの状況は変わっていない。
「一般的に修繕積立金は新築価格と連動する」と東京カンテイ市場調査部の井出武・上席主任研究員は分析する。下図を見てほしい。新築マンション価格の上昇に合わせるように、修繕積立金も上がってきている。建設工事費だけでなく修繕工事費も上昇しているからだ。

背景にあるのは人手不足による建築費の高騰。今秋、修繕工事を行うマンションが急増した。昨春以降の新型コロナウイルスの感染拡大により修繕工事の開始を決議できない管理組合が続出。修繕工事が延期になり、その積み残しが今秋に回ってきた。
工事需要が急激に膨らむと、現場の作業員が不足する。マンション計画修繕施工協会の中野谷昌司・常務理事は、「とび工が足場を組むのは春工事に備える1〜2月、そして秋工事に備える8〜9月と、大体の時期が決まっている。もともと若者の採用が難しい職種だけに、繁忙期にはとび工の奪い合いになる」と話す。
作業員を確保するには賃上げが欠かせない。「マンションの修繕工事は労務費の比率が高く、工種によっては7割を超える」(建設会社の幹部)。とび工などの人件費上昇は修繕工事費の高騰に直結する。
超高層マンションの場合、さらに修繕工事費の上昇圧力がかかる。1〜9階建てマンションなら足場の費用は全工事費のうち約20%で済む。しかし、50〜55階建てになるとその比率は50%弱にまで高まる。超高層には通常の足場は使えず、移動昇降式やゴンドラといった特別なものが必要となるからだ。そこに人手不足による労務費高がのしかかる構図になっている。
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