東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #経済学者が読み解く現代社会のリアル

途上国エビ養殖の問題 「よい養殖方法」を促すには 品質の可視化と農業外部性を認識した仕組みが重要

6分で読める 会員登録で読める
  • 鈴木 綾 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学專攻教授

INDEX

世界の養殖産業の成長が著しい。2018年の時点で養殖による魚の消費は漁獲による消費を上回った。養殖の中心地はアジアで、担い手は多くが小規模農家。農地を深く掘り、水をためて池に転換し、魚介類を飼育している。途上国の貧困層にとって養殖の魚介類は、経済面では収入源として、栄養面ではタンパク源として非常に重要だ。養殖の発展は「青の革命」とも称されている。

養殖には、天然資源の枯渇を防ぎ、供給の安定化につながるという利点がある。一方、需要に見合う供給をするための集約的な、高密度での養殖方法には、「適切な手順を採らなければ病気が起こりやすい」という脆弱性がある。

病気の発生は壊滅的な被害につながることも多いため、農家は予防、あるいは病気発生時の措置として抗生剤を使用する場合がある。また、養殖用の餌に含有されているケースもある。だが、国際的に許容された基準量以上の残留薬剤が検出されると、輸出した魚介類は輸入国の港から返送されてしまう。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象