米国の企業やファンドが、日系企業やベンチャーへの出資や買収を加速している。
米決済大手ペイパル・ホールディングス(HD)が9月7日、日本で後払いサービスを手がけるPaidy(ペイディ)を3000億円で買収すると発表したほか、グーグルも7月にスマートフォン決済アプリを手がけるベンチャーpring(プリン)を買収した。新素材「人工クモ糸」を開発するSpiber(スパイバー)は米投資会社カーライル・グループなどから344億円を、スマートニュースは米投資会社Princeville Capitalなどから251億円を調達したことが、9月に入り明らかとなっている。
なぜ今、米企業やファンドは相次ぎ日本への投資に力を入れているのか。背景には3つの訳がある。
1つ目がチャイナリスクだ。中国政府は昨年11月、アリババ集団傘下の金融会社アント・グループの新規株式公開を延期に追い込んだほか、7月には米国で上場する配車アプリの滴滴出行(ディディ)に対して国家安全上の理由で審査を始めた。また未成年のネットゲーム利用時間に制限を課し、テンセントといった大手IT企業に対する締め付けを強めている。
中国回避で投資先として見直されているのが日本だ。同じアジアでは人口の多いインドなども候補となるが、日本は米国と安全保障上の関係が深い。国内ベンチャーには、米投資会社での経歴を生かし海外目線で投資家と話せるCFOも増えている。
2つ目は米国内の過当競争だ。中央銀行の資金供給によるカネ余りを背景に、米国内では積極姿勢の投資家が増加。その結果、1つの案件に複数の投資家が群がり、投資価格がおのずと吊り上がってしまう。一方の日本は、米国のように強気な投資家は多くなく、評価額も米国より割安だ。
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