新型コロナウイルスワクチンに関する怪情報が乱れ飛んでいる。「動物実験でワクチンを打った動物がみな死んだ」「ワクチンを打つと遺伝子に異常が起こって遺伝子組み換え人間になる」といった荒唐無稽な話から、「長期的な影響はまだわからない」という一概に否定しきれないものまでさまざまだ。
「表現の自由」は重要ではあるが、明らかなデマを拡散する「自由」には何らかの規制が必要かもしれない。一方、高熱や倦怠感などの副反応がかなりの確率で発生するのも事実。ワクチン接種に対する漠たる不安はあって当然だ。そうした不安に丁寧に寄り添う姿勢を政治が示す必要はある。
調査によって異なるが、絶対に打ちたくない人が全体の約1割、様子見や消極的な人が2〜3割とみられる。ただ、「絶対に打たない」と言っていても、身近な人が重症化した、亡くなったといった話を聞いて宗旨替えすることもある。感染へのリアルな恐怖心が副反応の不安を上回るのだろう。
ワクチン接種を受けるか、受けないかはあくまで個人の判断だ。とはいえ、統計上は明らかに接種の効果がある。政府はワクチン接種の効果とリスクを今以上に説明することに加えて、インセンティブを導入するなどより積極的な施策を打ち出したほうがよい。接種率が一定まで上がらなければ集団免疫には至らないからだ。もちろん、「打たない」と言える余地を残さなくてはいけないが。
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