[ 回答者 ]サステナビティ・コンサルタント、CSRコミュニケーション協会代表理事 安藤光展(あんどう・みつのぶ)1981年長野県生まれ。ブログ「サステナビリティのその先へ」運営。「サステナビリティ情報開示勉強会」主宰。
Q1 気候変動が事業に及ぼす影響について開示が厳しくなります。ポイントは
6月発表の「改訂コーポレートガバナンス(CG)・コード」でも言及されたように、上場企業の気候変動問題に関する情報開示として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の内容を意識したものになる。国際的な主要開示指針もTCFDとの整合性を高めており、PRI(責任投資原則)も推奨している。
今後は全業種画一的な開示基準ではなく、業種ごとにマテリアリティ(重要性)を加味した開示が求められるだろう。開示は細則が決まっているわけではなく各企業に考える余地が与えられているとはいえ、基準は段階的に厳格化していく。上場企業にとってはTCFD旋風が加速することになる。
Q2 企業にとって環境面では脱炭素の動きが待ったなしです
CO2など温室効果ガス(GHG)の削減では政府の目標強化もあり、企業の「カーボンニュートラル」への意識が高まっている。意欲的に「カーボンネガティブ(排出より吸収が多い)」を目標とする企業も増え、さらに自然を再生していく「リジェネレーション」の取り組みも広まっている。サーキュラーエコノミー(循環型経済)へ向け企業が実践する時代だ。
Q3 機関投資家やNGO(非政府組織)などとのエンゲージメント(対話)も重要です
機関投資家などは、気候変動以外に人権問題や労働慣行(健康と安全)などを重要視している。コロナ禍でESGの「S(社会)」に注目が高まっている。取引先の従業員などの人権に関しては対象を狭く捉えすぎないほうがいい。サプライチェーン全体に関わる強制労働や児童労働、ハラスメントといったリスクを特定し、軽減策を講じる人権デューデリジェンスのPDCAが求められる。
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