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拝啓、東芝社長・綱川智様 「S&Wの買収経緯を再調査していただけませんか」

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拝啓、東芝社長・綱川智様。車谷暢昭前社長の辞任によって社長に再登板されましたこと、たいへん驚いております。定時株主総会前のご多忙のところ恐縮ですが、お願いがありこのような形でお便りを差し上げます。

2015年末の出来事を覚えておられるでしょうか。この年に発覚した不正会計の責任を取る形で多数の取締役が辞任、9月末の臨時株主総会で綱川様が取締役に就任して間もない時期でした。

当時、東芝子会社だった米原子力事業会社ウエスチングハウス(WH)による米建設会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)の買収が進んでいました。東芝取締役会では正式な議案ではなく、簡単な説明と報告がなされたものと認識しています。

よくご存じだと思いますが、改めてこの買収を簡単に振り返らせてください。

東芝が06年に買収したWHが手がけていた米国での原子力発電所の建設プロジェクトで、計画遅延と費用超過が深刻化。1000億円単位の負担をめぐって、WHは顧客である電力会社、建設を担当していたS&W(と親会社のCB&I)と訴訟になっていました。

解決策として浮上したのが、WHによるS&Wの買収でした。CB&IはWHにS&Wを譲渡して案件から脱出、電力会社は契約金額の増額と納期延長を受け入れ、WHはS&Wを傘下に収めることで作業改善を図る。それぞれが訴訟も取り下げることで丸く収まる──。取締役会ではそうした説明が簡単になされたはずです。

しかし、これがWHの致命傷、東芝にも大打撃となりました。リスクをすべてWHと東芝が負うことになったからです。工事効率の改善はできず、どこまで損失が膨らむかわからない状況に陥りました。

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