ゴールドマン・サックス証券 日本株ストラテジスト 建部和礼
ワクチン接種加速でキャッチアップ
ワクチン接種が進み、経済が正常化しつつある国の株価が上昇している。先頭が米国だ。NYダウ平均株価は5月7日に最高値を更新し、その後やや下げたものの、6月4日に最高値まであと21ドルと迫っている。欧州も経済の正常化が進んでいる。ドイツの株価指数(DAX)は6月に入り連日で最高値を更新した。通貨ユーロも強い。
一方、日本はワクチン接種が遅れ、株価は軟調だ。だが、ここに来て接種が加速している。接種率が急上昇しているので、出遅れていた日本株のキャッチアップが起きると見込んでいる。
日経平均株価は3カ月後に3万0500円程度、6カ月後に3万1500円程度、12カ月後に3万2500円程度へ上昇していくと予想する。
前提として、欧米株が大崩れすることはないだろうとみている。米国のインフレ加速や経済成長モメンタム(勢い)のピークアウトは確かに懸念材料だ。ただ、経済は着実に正常化していくと見込まれる。米国の株価は年内いっぱい、現在と同程度の水準が続くのではないか。FRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリング(量的緩和の縮小)は2022年の初頭、利上げは24年の初頭とみている。
企業収益は徐々に上振れ
日本の企業収益に対しても、強気の見通しをしている。理由は2つ。まず、各社の個別予想を積み上げるボトムアップアプローチ型の企業収益予想は、往々にしてマクロ経済の大きな変化を過小評価しがちだ。ワクチン接種が進むことによるマクロ経済の力強い回復を、今の収益予想は完全には織り込んでいないだろう。また、企業収益の期初の計画は、慎重すぎることが多い。とくにコロナ禍からの回復途上で不透明感が強い今は、慎重に見がちだ。企業の収益予想は今後四半期ごとに徐々に上振れていくと思われる。こうした企業収益の改善を反映して、日経平均株価は徐々に上昇していくだろう。
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