文具大手のコクヨが2020年12月に発売した履歴書が話題を呼んでいる。氏名欄の隣の「性別」欄を初めてなくしたからだ。心と体の性が一致しないトランスジェンダーなどを中心に、履歴書で性別を記すことを望まない声が高まっていた。
背景にあるのが、これに先立つ7月、日本規格協会が日本産業規格(JIS)の履歴書の様式例を削除したことだった。厚生労働省も性別欄の記載を“任意”にした様式例を作成した(上写真)。
事実、採用における性的少数者や男女の格差解消に動いた企業の1つが、ユニリーバ・ジャパンだ。20年3月には自社ブランド「LUX」の販促策の一環で、就職希望者に対し、性別や容姿でなく個人の能力や意欲に焦点を当てると宣言。履歴書から性別や顔写真の欄を削除した。氏名欄は名字だけにする徹底ぶりである。
SNSでは「#性別知ってどうするの」のハッシュタグを付けたキャンペーンも展開。「ジェンダーの固定観念を取り除くため決断した。ブランド価値向上だけでなく社会もよくしたい」(河田瑶子・ラックスブランドマネージャー)。
採用という入り口だけの是正で終わってはいけない。女性社員の出産・育児の際には職場復帰に向けたさまざまな工夫も必要だ。
カギとなるのが、女性が育児を抱え込まず、家族で分担できる体制をつくること。重要なのは男性の育児休業の取得だ。夫が妻の復帰時期に休んだり、育児のノウハウを得たりすることで、妻の負担を軽減できる。育児休業法では会社に申請すれば、社員は子どもが1歳になるまで育休を取得できる(延長可)。有給ではないが雇用保険から給料の67%分の給付金をもらえる(180日間まで)。
この記事は有料会員限定です
残り 616文字
