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ライフ #超要約版 LIFESPAN 老いなき世界

哲学なき技術先行の時代は終わる 「経済優先」から「社会優先経済」へ LIFESPAN考Ⅰ
総合地球環境学研究所所長 霊長類学者 山極壽一

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  • 山極 寿一 総合地球環境学研究所所長、霊長類学者

INDEX

京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程退学、理学博士。2014年10月〜20年9月京都大学総長。21年4月人間文化研究機構の研究所に。『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』『スマホを捨てたい子どもたち』など著書多数。(撮影:今井康一)

爆発的な人口増加の問題は乗り越えられる

「老化は病気」と言い切ったことが『LIFESPAN』のすごいところ。老化を防ぐための薬や治療には非常に高額な費用がかかりますが、老化が病気として認められれば、ここに斬り込むことになり、老化という現象を止める大きな第一歩になります。

世間の常識では、老化はすべての生物が持つ運命であり、避けられないものと捉えられてきました。それゆえに世代交代を前提とした社会システムになっています。ところが老化しないまま500歳までも生きられるとなれば、こういった生命観や社会システムもひっくり返ることになるでしょう。

今後、世界の人口は爆発的に増加します。すると、環境がもたなくなるという問題が出てきますが、それは乗り越えられるでしょう。地球の環境問題は人口の問題ではなく消費の問題だからです。日本は生産した食料の半分を捨てています。これをもっと有効に使えばいい。家畜もいます。世界には牛が15億頭、ヤギや羊、豚がそれぞれ10億頭もいて、その飼料も地球環境を傷めながら作っているわけです。

しかし、牛の代わりに植物性タンパク質を使うという技術が進めば、家畜の数は減り、飼料も減らせる可能性が出てくる。地球環境を傷めずに人間が必要な食料を得られる科学技術が発達すれば、人間を支えるキャパシティーももっと増えるというわけです。

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