3月中旬、欧米日の中央銀行が相次いで金融政策の決定会合を開いた。いずれも異例の金融緩和の長期継続を決めたが、異なる景気・物価情勢の下でそれぞれ政策の舵取りや市場との対話に苦心する様子が見て取れた。
まずECB(欧州中央銀行)は国債などの資産購入を向こう3カ月で「大きく加速する」と決定し、米国から伝播した長期金利上昇を牽制した。ユーロ圏ではコロナ感染が再拡大し、1~3月期は再びマイナス成長に陥る見通しだ。ただし、資産購入枠の規模は据え置き、枠内での弾力運用にとどめた。追加緩和に関しECB内部で意見対立があるため、明確な方向性を示すのを避けた可能性がある。
続いてFRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(米連邦公開市場委員会)でゼロ金利政策を2023年末まで維持する方針を示した。国債などを月1200億ドルペースで買い入れる量的緩和についても、最大雇用と物価2%の目標に向け「さらなる大きな進展」があるまで続けると表明した。
米市場では1.9兆ドルの追加経済対策を受け、長期金利の上昇が顕著だ。早期のテーパリング(量的緩和の規模縮小)開始観測に関しパウエルFRB議長は「(議論するのも)時期尚早」と一蹴したが、市場の不透明感は消えていない。
一方、日本銀行は金融緩和の長期化を見据えた政策修正を決めた。市場機能と金融仲介機能の低下という副作用に配慮してETF(上場投資信託)購入を弾力化。マイナス金利の深掘り時に金融機関に上乗せ金利を付与する制度を導入し、緩和限界論も牽制した。黒田東彦総裁は「緩和を効果的、持続的にする工夫をした」と語り、「粘り強く緩和を続ける」方針を表明。だが物価はマイナス圏に沈み、2%目標達成の道筋は見えない。
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