
改正民法では「定型約款」という制度が新たに導入された。定型約款を使うとスムーズに取引を進められるメリットがある。幅広い業種や契約で適用されるが、すべての取引に適用できるわけではない。定型約款とはどういったもので、どんなシーンに適用できるのか。
定型約款とは、一定の条件を満たす「定型取引」に適用できる画一的なルールである。定型取引に該当するには以下の条件を満たさなければならない。
まずは不特定多数の人を相手にする取引であることだ。例えば、電気、ガスの供給契約などの場合、不特定多数が相手であり、相手の個性などは問題にならないので、適用が可能となる。逆に不特定多数が相手ではなく、相手の個性に着目する労働契約などには適用できないことになる。
次に取引内容の全部または一部を画一的に扱うことが当事者双方にとって合理的であることだ。例えば、水道光熱費の契約内容について、いちいち個別に取り決めると業者側にも顧客側にとっても不便となる。こういったケースでは「画一的な取り扱いが合理的」といえ、定型約款が適用できる。
定型約款導入の理由
このほか、インターネット通信契約、保険約款などの画一的な契約では、当事者同士が個別に契約書を交わすと余計な手間がかかってしまう。たとえ画一的な約款であっても、ユーザーに不利益が及ぶ可能性は低い。
実は法改正以前も、約款を用いた取引が行われる例は多々あったが、実はそこに明確な法的根拠があったわけではなかった。そこで今回の民法改正では、約款によって、契約関係を取り決めるルールが新たに制定された。それが定型約款なのである。
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