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コロナ優先で待遇改善は先送りか 介護

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介護保険に関する市民団体の質問に答える厚生労働省の職員

幼稚園教諭だった神戸市在住の22歳の女性は2019年10月、同居する当時90歳の祖母を窒息死させた。「介護で寝られず、限界だった」。法廷でそう証言した女性は、認知症の祖母をほぼ1人で介護していた。

アルツハイマー型認知症と診断された祖母は、中重度である「要介護4」と認定され、平日の日中はデイサービスに通っていた。だが夜間や土日になると、社会人1年目のこの女性が一手に介護を引き受けざるをえず、1日2時間ほどしか眠れなかったという。

「訪問介護や訪問看護など、訪問系のサービスにもっとつながることができれば、大きな援助になったのではないか」。「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」主宰の小竹雅子氏はそう語る。

20年春、新型コロナウイルスの感染拡大で、デイサービスやショートステイが休止・縮小する中、代替の利かないサービスとして重要な役割を担ったのが訪問介護だ。とりわけ体調不良などでほかのサービスを利用できない場合には、文字どおり最後の砦として活用されてきた。

介護施設と比べて、通常は感染予防が十分とはいえない利用者宅において、介護に当たるホームヘルパーの負担は甚大だ。人手不足が続く介護業界の中でも、ヘルパー不足は著しい。すでにその4割以上を65歳以上が占める「老老介護」状態に陥っている。こうした高齢のヘルパーがコロナ感染への不安から離職することで制度が崩壊しかねない、と懸念する声が現場からは上がっている。

さらに新たなリスクも顕在化し始めた。広島県に住む80歳代の女性がコロナに感染して死亡したのは、ヘルパーが対策を怠ったためだとして、遺族が事業者を相手取り損害賠償を求めて提訴した。その後、遺族側は訴訟を取り下げたが、今後も同様のケースが起きる可能性がある。

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