住友商事にとって、前2020年3月期に最も足を引っ張ったのは金属事業だった。北米鋼管事業の減損が大きく、金属事業は500億円もの大赤字を強いられた。
収益が悪化した金属事業に加えて、同社にとってもう1つの大きな課題が資源事業だ。アフリカのマダガスカルで行っているニッケル生産のプロジェクト「アンバトビー」である。
12年に生産を開始したものの、設備トラブルなどで稼働率が上がらず、赤字が続いた。ようやく稼働率向上への道筋が見えてきたところで、新型コロナウイルスの感染拡大があったことから、プラントの操業停止を余儀なくされた。
住友商事は15年3月期には、資源価格低迷のショックからシェールオイル(タイトオイル)事業などで多額の減損を計上し、約730億円の最終赤字になった。今21年3月期はマダガスカルの大型減損が足かせとなり、当時の約2倍となる1500億円の最終赤字を見込む。

最終赤字を見込んでいるのは、5大商社の中では住友商事だけ。ただこれは、減損が最も多く出た場合を想定したもので、同社が考える最悪のシナリオだ。状況によっては赤字幅が縮小する可能性もある。
かつては、資源や金属、輸送機が稼いだが、現在はむしろ金属や資源事業の立て直しが課題となっている。住友商事は来21年度から新たな中期経営計画が始まる。それを見据えて、18年から同社の指揮を執る兵頭誠之社長が、課題の事業にどこまでメスを入れるかは大きな注目点だ。
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