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炭鉱の街が観光、そして新しい港の街へ いわき市 [福島県]

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

福島県いわき市は県の東南部、南で茨城県に接する位置にあり、太平洋に面して約60キロメートルの海岸線を有する。東北地方では宮城県仙台市に次ぐ人口約33万7000人の中核市だ。かつては炭鉱の街として栄え、常磐炭鉱は明治から高度経済成長期までの日本経済を支える重要な役割を果たした。

JR常磐線は炭鉱から掘り出した石炭を首都圏に輸送する鉄道として整備された。小名浜港も鉱物資源を中心に国内外の輸送を受け持ち、重要な港湾として発展してきた。同港の昨年の年間貨物取扱量は1592万トンだ。道路は国道6号に加え、1988年に常磐自動車道いわき中央インターチェンジも開通し、首都圏への交通利便性は優れている。

また、2015年3月には上野東京ラインの整備により、常磐線が東京駅、品川駅への直通運転を開始。特急を使えばいわき駅から東京駅まで2時間半ほどになった。

だが、石炭を中心とする鉱物資源の取扱量は産業構造の変化とともに減少し、「炭鉱の街」からの脱却がいわき市の大きなテーマとなった。その先駆けが66年オープンの常磐ハワイアンセンターだ。市内にある「いわき湯本温泉」を利用して新たにスパ施設を造り、首都圏から観光客を誘致しようと考えたのだ。

高度経済成長期の66年当時としてはかなり大胆な計画だったため、成果を危ぶむ声もあった。また、この事業は、もとは石炭事業縮小に伴う雇用対策の一環でもあったのだが、石炭を掘り出していたときには厄介ものだった温泉水を、今度は利用して新規事業を行うということで、炭鉱夫には抵抗感もあったに違いない。

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