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郵便投票は不正の温床か 大統領選の新たな火種

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全米で郵便投票の準備が進んでいる。候補者名の空欄を塗り潰すマークシート方式(ロイター/アフロ)

日本の郵便ほど正確で緻密とはいえないまでも、米国の郵便システムは正しく機能しており米国民の信頼を得ている。

非常にまれだが郵便物がなくなったり、時に配達が遅れたりすることはあるものの、2019年の米ギャラップ社の調査では、米国民の4人に3人が郵便サービスを「すばらしい」、あるいは「よい」と評価している。

その郵便システムが、トランプ大統領の執拗な主張によってこのところ注目を集めている。コロナ禍のため11月の大統領選では郵便による投票を拡大する州がほとんどだが、トランプ氏は「郵便による投票は不正の温床だ」として非難を続けているのだ。これを受け、共和党系の弁護士たちが郵便投票の拡大は違法であるとして、各地の州政府を相手にすでに数百件の訴訟を起こしている。

郵便投票が大統領選を左右するほどの不正につながるという根拠はない。ワシントン・ポストとNPOの「電子登録情報センター」が行った分析によると、16年の大統領選と上・下院選、18年の中間選挙において、郵便投票だけを行う5州のうち3州での、2度投票したり死亡した人物になりすまして投票したりといった不正投票の発生率は0.0025%。1460万票のうち、わずか372票だったという。

訴訟を起こしている共和党系弁護士の中で、不正の証拠を提出した者はない。実際、投票用紙への署名や、投票者が用紙の所在を追跡できる機能により、不正はかなり難しいとされる。

米時間9月29日夜に行われた大統領候補の討論会でも、トランプ氏は不正説を叫び続けた。

これまでの選挙で、民主党が郵便投票に積極的で、共和党が消極的だったというわけではない。今回のコロナ禍では、どちらかといえば民主党支持者のほうが感染拡大に敏感であり、郵便投票の拡大は民主党に有利に働くのではという見方がある。トランプ発言はこの文脈の上にあるとみられる。

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