その昔、18ホールをプレーすることは、航海に出るのと同じだといわれた。
冒険──不安と期待を抱いて出航、それがゴーイングアウト。危険、忍耐、歓喜などさまざまな経験を味わって、カミングイン。それが、今のアウト・インの由来。それもこれも、セントアンドリュースをはじめとするリンクスコースでプレーしていた時代に生まれた言葉である。
リンクスは、もともとは砂丘や広い浅瀬が、長い年月を経て強風と雨で砂泥になり、鳥が芝の種をまき、ウサギが穴を掘り、やがて広大なリンクスランドが生まれた。そこで石ころと棒きれで遊んでいたのがゴルフの原風景だ。
ゴルフプレーは航海と同じ、というフレーズは、言い得て妙である。とりわけリンクスコースでのプレーは、想像を絶する体験が日常茶飯事だ。言ってみれば、プールで1000メートル泳ぐのと、海の荒波にもまれて泳ぐのとくらいゴルフゲームの内容は変わってくる。
トム・ワトソンが1974年に初めてリンクスでのゴルフを経験したとき「なんだこれは? と思いました。その当時は高い弾道、上から落とすボールを目指していましたからね。それしか知らなかった。でもリンクスを経験して、低い球、転がす球、風を読むなど、ゲームにはいろんな要素があって、それを駆使してこそゴルフなんだと思いました。それ以来、リンクスでのゴルフも大好きになりました」と語っている。そのときは予選落ちをした。
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