後継者が見つからず、M&Aでもいい売却先が見つからない──。そんな会社には、最終手段として「廃業(会社清算)」という選択肢が残されている。
「廃業」は「倒産」と混同されがちだが、似て非なるものだ。廃業は資産が超過した状態で自らの意思により会社を清算するのに対し、倒産は債務超過に陥り、やむをえず会社を清算することを指す。
廃業の場合は手元資金に余裕があるため、事前に計画を立てておけば最終的に多くの資金を手元に残すことができる。
たとえば、繁忙期まで営業を続け、利益を最大限取り込んでから営業を終了したり、不動産などの保有資産が最も高い価格で売れるタイミングを待ったりすることも可能だ。
取引先にも事前に時期を知らせておけば、あまり迷惑をかけずに済むし、従業員は解雇せざるをえないが、転職先を探す時間を確保できるなど、影響を最小限に抑えることができるのだ。
ところが、倒産の場合はそうはいかない。破産手続きが始まれば事業は停止される。資産は価格よりもスピード重視で売却され、債権者への配当に充てられる。
当然、手元に資産は残らない。それどころか経営者は会社の債務について連帯保証をしていることから、経営者自身が自己破産しなければならないケースも多い。
経営者本人が不利益を被るのは仕方がないことだが、周囲に多大な迷惑をかけることになる。金融機関からの借り入れが返済できないだけでなく、取引先への未払い代金や従業員の退職金も支払えないということがありうる。

早期の検討が重要
現状、資産超過で廃業することができる企業でも、赤字のままズルズルと経営を続けていれば、刻一刻と倒産に近づいていく。
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