感染症の動きは地域や国によって偏りがあるものの、先進国では経済の再開と立て直しが政策の主眼になってきたようにみえる。しかも、株価に代表される資産価格はバブル気味である。NYダウが高値圏で推移、中国本土株も5年ぶりの高値をつけ始めた。3月に矢継ぎ早に出された各国中央銀行によるリスク資産の買い入れを含むセーフティーネットが効いているためであろう。
しかし、格付けダブルB以下の発行体が発行する債券、ハイイールド(高利回り)債への投資には慎重であるべきだと考える。FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)はそれぞれ3月22日、4月7日以降にダブルB以下に格下げされた場合にはサポートすることを発表した。つまり対象は一部にすぎないが、問題はそれだけではない。本来はセーフティーネットができることによってその影響が染み出し、明示的にサポートされていない資産価格まで安定してくるという経路をたどる。だが、今般はリスクオフを誘発する気がかりな要因が多いのだ。5点指摘したい。
破綻が増える可能性
第1に、欧米ともにハイイールド企業のレバレッジ(自己資本に対する負債総額)が高すぎることである。長い間の低金利によって債務残高が伸びたことの裏返しで、欧米ハイイールド企業のレバレッジは5倍近くと歴史的高水準にある。のりしろが小さい企業の資金調達は自然体ではできなくなっていることに気をつけておく必要がある。セーフティーネットが外れたときのショックが最も大きいのはハイイールド企業に多いはずだ。
第2に、突発的破綻の可能性に警戒が必要なことだ。ドイツDAX30の構成銘柄であるワイヤーカードが不正会計を理由に破綻したばかり。不正会計は通常個別企業の問題であるが、好景気時に行っていた不正が、景気低迷で露呈する、という関係が指摘され出した。この関係があるのだとしたら、この手の破綻は続く可能性がある。また、流動性の枯渇により誰もが知る大企業の破綻のニュースもこの先ないとはいえない。大企業破綻を契機にリスクオフムードになった経験は過去に何度もある。
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