[Profile] しぶさわ・けん 1961年神奈川県生まれ。シブサワ・アンド・カンパニー(株)代表取締役。コモンズ投信(株)取締役会長・創業者。経済同友会の幹事も務め、政策提言書の作成にも携わっている。87年に米UCLAでMBA取得。『渋沢栄一 100の訓言』など著書多数。
本書の著者・渋澤健は、日本の「資本主義の父」渋沢栄一の玄孫(やしゃご)だ。彼は、外資系金融会社や投資ファンドを経て、現在は長期の積立型投資信託を主軸とするコモンズ投信のファウンダー兼会長を務めている。
栄一が、その代表的著作『論語と算盤(そろばん)』で説き、実践した経営哲学は、倫理と利潤の両立を目指す「道徳経済合一説」である。著者は、こうした栄一の経営思想を引き継いで「論語と算盤」経営塾という私塾を立ち上げ、経営者育成にも尽力している。
本書のタイトルにもある「SDGs(Sustainable Development Goals)」とは何か。これは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている、世界が30年までに達成すべき「持続可能な開発目標」のことだ。貧困撲滅、気候変動対策、不平等是正などから成る、持続可能な社会を実現するための17の目標と、それを細分化した169のターゲットから構成されている。「誰一人取り残さない社会の実現」というのが、その中核的理念である。
著者は、このSDGsと『論語と算盤』の目指すところは、どちらも同じくサステナビリティ(持続可能性)だと考える。『論語と算盤』の教えは、一見繋(つな)がらない異分子や無駄、矛盾同士を繋ぐ「“と”の力を持とう」、つまり「論語」と「算盤」のような相いれないものが車の両輪のように互いに協力し合う「と(and)」の力の重要性を説くものだという。白か黒か、倫理か利潤かという二者択一の「か(or)」ではなく両方ともを選ぶということだ。
そして、こうした「と」の力を問い続ける『論語と算盤』の現代的かつ地球的規模での実践がSDGsであり、これをさらに一歩進めて、投資と結びつける「SDGs投資」を実現することが、自らの果たすべき使命だと考えている。
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