国際通貨基金(IMF)が4月14日に公表した最新の世界経済見通し(WEO)は、コロナショックの真っただ中だけに、一般紙も1面トップで扱うなど高い関心を集めた。「大恐慌以来、最悪の不況」。そんな見出しが躍った。
IMFや世界銀行のような主要国際機関による経済見通しは、中立的な性格もあって、政策運営や事業運営の前提値となることが多いが、今回ばかりはIMFも認めるように不確実性が強く、1つの参考値として考えるべきだろう。
「グレート・ロックダウン(大封鎖)」と題された今回のWEOでまず注目されたのは、2020年の世界の実質国内総生産(GDP)成長率が▲(マイナス)3%へ大きく下方修正されたことだ。リーマンショック翌年の09年に記録した▲0.1%を下回り、大恐慌の1930年に記録した▲8.5%以来の落ち込みとなる。
民間予測機関のコンセンサス(▲1%強)と比べても悲観的だ。市場内では「各国政府に十分な政策対応を取らせようとする狙いがあるのでは」といった見方もあるが、むしろ民間予測のほうが今後下方修正されていく可能性が高いと思われる。
WEOは、20年後半に感染が終息に向かい、移動制限などの感染封じ込め策も徐々に解除されることが前提。景気の底は4~6月期で、7~9月期から回復に向かい、21年は5.8%の高成長を見込む。その点は、1929年から32年まで不況が長引いた大恐慌と異なる。
しかし、今後の行方は「異常な不確実性」(IMFのゲオルギエバ専務理事)を伴う。そのため、今回のWEOは基本シナリオとは別に3つのリスクシナリオを提示した。①感染終息が20年末近くまで遅れる、②21年に再流行する、③その両方が重なる、というもので、最悪の③の場合、20年の成長率は▲6%、21年は▲2.2%と2年連続のマイナス成長になる。
この記事は会員限定です
残り 677文字
