有料会員登録 東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #グローバルアイ

リビア内戦は中東の縮図、紛争は周辺国に燃え広がる 新たな代理戦争が始まってもおかしくない

3分で読める 有料会員限定
LNAの兵士がトルコのエルドアン大統領の写真に銃口を突きつける(ロイター/アフロ)

リビアで続く内戦は、中東を覆う悲劇の縮図だ。早く手を打たなければ火種は周辺国に広がり、欧州にもさらなる難民の波が押し寄せることになる。

紛争当事者は現時点で大きく2つに分けられる。1つは、国際的に認知された国民合意政府(暫定政府)だ。イスラム勢力が主導し、今も西部の首都トリポリを拠点とする。もう1つは、東部トブルクを本拠とする暫定議会とハフタル陸軍元帥の「リビア国民軍(LNA)」だ。独裁的なハフタル氏は反イスラムを掲げる。同氏の軍事組織は国土の大半を制圧したが、トリポリ陥落には至っていない。

そして、これら2つの勢力の背後では、外国が虎視眈々と権益拡大を狙っている。トルコとカタールが暫定政府の後ろ盾となる一方で、LNAに肩入れしているのがエジプト、ロシア、アラブ首長国連邦(UAE)だ。国際メディアの報道では石油・天然ガス資源をめぐる主導権争いが焦点となることが多く、とくにトルコとエジプトの対立が目立つ。

エジプトはイスラエル、キプロス、ギリシャをパイプラインでつなぎ、欧州にガスを輸出する構想を描く。が、このもくろみはトルコの利害と真正面から衝突する。トルコ─リビア間の海洋権益を独占し、リビアのエネルギー資源を牛耳ろうとしているのがトルコだ。

しかし、この紛争を読み解くには、エネルギー資源だけでなく、複雑に絡み合う地政学的、宗教的な対立関係も頭に入れておかなくてはならない。例えば、イスラム勢力の主導する暫定政府が内戦に勝てば、トルコとカタールは地中海沿岸の有力産油国、リビアに影響力を行使できるようになる。戦略的な基盤が強まり、エジプトなど長年の敵国に揺さぶりをかけやすくなるということだ。

他方、エジプトやUAEにしてみれば、そのようなリビアが敵の手に落ちる事態は避けたい。そうなれば、イスラム勢力はリビアを突破口にしてエジプトやUAEを切り崩そうとしてくるに違いない。反面、反イスラムのハフタル氏が内戦に勝てば、リビアの石油資源をテコに周辺国のイスラム勢力を屈服させる道が開けてくる──。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数