SARS(重症急性呼吸器症候群)退治の英雄である鐘南山医師は新型コロナウイルス(新型コロナ)対策でも先頭に立つ。その鐘医師は感染拡大のピークは4月の末との予測を出した。ウイルスの全容解明には程遠いが、感染の増加スピードは落ち、湖北省を除く中国全土では明らかに緊張の度合いが緩み始めている。
2月22日、人民日報ウェブ版は、新型コロナへの抗体の生産が動物実験の初期段階に入ったという浙江省科技庁の会見を伝えた。この時点での新たな感染者数は、21の省・自治区・直轄市でゼロに。チベット自治区では17日間連続のゼロを記録した。
武漢・湖北省を隔離し医療資源を集中投入する政策は、犠牲になった同地には気の毒だったが、奏功したといえるかもしれない。
春節(旧正月)の移動期が完了した2月18日前後から、中国は防疫と生産再開を並走させる政策に舵を切った。これは中国が戦後、まず他国から侵略されない軍事力を備え、次に経済建設に入った流れと重なる。習近平国家主席は新型コロナとの「人民戦争」を唱えているが、まさに総力戦だ。
日本の一部メディアは相変わらず「隠蔽体質で初動が遅れた迷惑な国」というストーリーに中国を押し込むことに躍起だ。1100万人都市を隔離するという世界の政治史に残る大実験の後に日本人の頭に残るのがたったそれだけとは、寂しくないだろうか。
実際、中国は恐ろしいロジスティクスの力を見せつけている。
3万人超を武漢に動員
例えば、武漢の封鎖から6日間で全国各地から6000人の医療従事者が集められ、武漢市内各所に設けられた臨時病院に割り振られた。これまで投入された医療スタッフは3万2000人を超えているが、その数は全国の医療スタッフの10%に相当する。
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